スロットゲームをPLC、シーケンス制御で製作するのは少し大変です。
スロットゲームは意外と簡単に作れそうに見えますが、PLC自身のデータレジスタをカウントアップさせてあげて、なおかつ比較演算しなければならないので、シーケンス制御初心者はスロットゲームを製作するのはハードルが少し高いかと思います。
ですが、こちらの比較演算やデータレジスタ処理を身に付けることによってシーケンス制御初級者から中級者へとステップアップすることが可能となります。
通常、産業機械でデータレジスタを使用することがあるのは、データトラッキングやステップラダーのようなシーケンス制御を使用する場合であり、それらの制御を行うような産業機械は複雑な動作をさせることが多々あります。
よって、データトラッキングやステップラダーのようなシーケンス制御を行う前に、自分自身でデータレジスタの処理に慣れておく必要があり、今後の対応にも差が出てくるかと思います。
そういう意味で言えば、このスロットゲームはデータレジスタ演算処理を学ぶには非常にお手頃であり、試行錯誤しやすく、イメージもしやすいかと思います。
今回はそんなスロットゲームをGX Works2とGX Works3の2つから紹介します。
広告
【目次】
動作概要
簡単に動作の説明をします。
1.点滅している動作開始用ボタンを押す クロックで点灯、自己保持
2.スロットが動作したら、各停止ボタンでスロットを停止させる 自己保持リセット
3.行、斜めの数値が揃うと画面横の星マークが点滅する 比較演算
これが一連の動作となります。簡単な動作となりますが、実際に作ろうとしますといくつかの課題がありますので説明したいと思います。
製作概要
PLC :Q03UDVCPU
PLCソフト:GX Works2
タッチパネル :GT2508-VTBD
タッチパネルソフト:GT Designer3
今回はシミュレーションにて動作確認をしているため、特にPLCやタッチパネルの選定には拘りませんでした。スロットゲームとしては最低限の性能しかありません。それ以上の機能は...またの機会にしたいと思います。
GX Works2 ソフト説明
1.T100がタイムアップする
2.T100がONし、スロット動作開始用ボタンが押されると、L100:スロット回転指令がONする
3.L100がON時、スロットの最上段D1020に0.2秒毎+1するように演算する。D1020に+1した値を中段の数値とする。その中段の数値に+1した値を下段の数値とする。※10以上になったら0にする
4.L100がONしている時に、各停止ボタンが押されたことをL101~L103で記憶し、スロットの最上段に+1されないようにする
5.全てのスロットが停止したら、L100のスロット回転指令をリセットする
6.行、斜めで数値が合っているか確認し、画面横の星マークを点滅させる
私がソフトを作る上で注意していることは、誰でもわかるシンプルなソフトであるということです。
今回、スロット回転指令がOFFしたら、スロット回転停止記憶もOFFするようにしています。このようにすることによって、スロット回転指令だけOFFすれば良いという考え方ができるようになり、デバッグする時も楽になります。
GX Works3によるスロットゲーム制作
製作概要
PLC :iQ-Rシリーズ
PLCソフト:GX Works3
タッチパネル :GT2508-VTBD
タッチパネルソフト:GT Designer3
動作確認
www.youtube.comYouTube
ソフト説明
GX Works3でも同様の動作をさせることができました。
ただし、ステップ数が前回のGX Works2と変化がないのが悔しいです。
広告