今回は電気設計の基礎である制御盤の設計方法について説明していきたいと思います。
この記事を見に来た方の多くは設計の経験が少ない方であると思います。
なぜそれがわかるか。それは設計とは経験値がものを言う世界であるからです。
設計経験が多い方は、自分でどのように設計すればよいかという方法、手段を知っています。ですので、このような記事には一切興味を持ちません。笑
この記事では、私が設計に携わりました制御盤について紹介していきます。
少しでも設計の参考にして頂けると幸いです。
※参考画像はお客様製品のため加工させて頂きます。
【目次】
広告
様々な制御盤
一般的な制御盤
一般的と言ってしまい申し訳ありませんが、設計している方にはお馴染みと言っていいほどの配置だと思います。
果たして、どの部分がお馴染みなのか。
それは、
1.メインブレーカー(ここでは漏電遮断機)が左側にあること
2.熱源(トランスやインバータ)が上側、さらに右側にあること
3.熱を左側から右側へ逃がすために、ファンを右側に設置していること
上記項目を抑えているかどうかで、技術者としての設計センスを見ることができます。
1.メインブレーカーはなぜ左側?
簡単なことです。人間は左右どちら側から物体を見ると思いますか?
そう。左側なのです。人間は物体を左から右へと見る習性があるのです。
ですので、お客様が一番メンテナンスを行うメインブレーカーを左上に設置しているのです。
2.熱源はなぜ上側?
熱い空気はどこに行くと思いますか?そう、熱い空気は上側へ逃げるのです。上側に熱が逃げるため、その付近にファンを設置しておくと熱の排出効率がよくなります。
3.熱を左側から右へ逃がすのか?
慣習というものですかね。笑
まぁ右側から左側でも問題ないのですが。笑
自動販売機のジュースが¥200円で売っていたら、ここは高山かな?と思ってしまうような感覚です。笑
※たとえ話がわかりづらくて申し訳ありません。
両開き、左右で電圧を分ける
これは両開きの制御盤です。ここで確認して頂きたいのが左側がAC200V、右側がDC24Vとなっております。
電圧を分ける理由としては、AC200Vの影響でDC24Vにノイズが乗ってしまう可能性があるからです。
上面に端子台
これはあまりないタイプですが、端子台が上側に設置してあるものです。
理由としては、制御盤右上側から配線用ダクトが設置されているからです。
背面通線穴
制御盤背面に配線用の通線穴をあけたものです。配線の量、サイズを正確に把握しないとならないので経験と知識が必要になります。
横長制御盤
横長の制御盤であり、メインブレーカーを左側面に設置しています。
スペースの問題もありますが、このような制御盤もあります。
リモートBOX
CC-Link入力ユニットをBOXに入れたものです。
増設を意識して上側を開けています。
終わりに
今回のポイントとしては、1.メインブレーカーは左上側、2.熱源は右上側、3.ファンは右側。以上。
設計を始めたばかりですと、色々と悩むと思います。それは皆同じです。悩んだ時間、考えた時間が経験となり、自分自身を成長させてくれるのです。たくさん苦労して人の技を盗んで良い設計者になってください。
※これらの製品はお客様のものとなりますので、問い合わせがあれば削除致します。参考画像として掲載致しましたので、お客様の利益妨害の意思がないことを宣言致します。