【上級編】PLC(シーケンサ)のプログラム自動生成!タイマー回路編

PLCのプログラム自動生成については前から興味がありました。
実際キーエンスでは参考プログラムが公開されており、さらにサーボも選択すれば簡単に作成することができる?(この部分は聞いただけなので合っているか不安です。笑)ということで、三菱電機でも簡単にプログラムを作成できないかなと思っていました。

数か月前にGX Work2で『CSVの書き込み』『CSVの読み出し』など自動生成出来そうだなとは思っていましたが、検索してもなかなかやっている技術者がいませんでした。
正直な所参考がなかったので、自分で開拓するのは大変だなぁと思い、この件に関して少し躊躇していました。

しかし、現在勤めている会社でプログラム作成が多くなってきて簡単にできないかなぁと思い、自動生成についてやってみましたので、今回まとめました。

とても役に立つと思いますので、参考にして頂ければと思います。

【目次】

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自動生成について

プログラムを一から作成するのは非常に大変です。
特に大型物流ラインとなりますと、センサーの数も100、200を超えることが多いです。

センサーというものはチャタリングを起こすため、チャタリング防止のタイマーを設けます。
そのため、センサー数が100,200以上ありますと、タイマーもON,OFFの2つのタイマーが必要となり、センサー数の2倍タイマーを作成するということになります。

なるべくFOR~NEXTは使用しない

その作業は非常に大変であり、FOR~NEXT指令で作成する技術者もいます。
しかし、FOR~NEXTで作成しますと、メンテ時、そのセンサーやタイマーがON,OFFをしているか、プログラム上で簡単に把握することができなくなります。
また、センサーとタイマーが異なっているかという確認も非常に大変になります。(FOR~NEXTだと一文で記述されているため)

利点


・間違いが少なくなる
・ダブルコイルの心配がない
・回路作成時間の短縮

間違いが少なくなるのは当然として、手で入力をしていると、ダブルコイル(プログラム上に2つのコイルが存在すること)が発生する確率が高くなります。その可能性も少なくなりますので、その利点は大きいです。

また、タイマーを200~400作成することは入力するので1日を費やしてしまう可能性が非常に高いです。
それをエクセルファイルを操作するだけで、簡単に作成することができますので、効率がとても良いです。

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自動生成ファイル作成方法

タイマー回路を作成し、CSVを読み出す

f:id:vv_6ong_3ka_cp:20171102041200j:plain

1.タイマー回路を作成する。

f:id:vv_6ong_3ka_cp:20171102041522j:plain

2.『編集』☛『CSVファイルへ書込』を選択する。

f:id:vv_6ong_3ka_cp:20171102041536j:plain

3.「表示中の回路をCSVファイルへ書き込みます。」☛『はい(Y)』を選択する。

CSVファイルを編集する

f:id:vv_6ong_3ka_cp:20171102042330j:plain

4.出力されたCSVファイルの中身を確認する。

f:id:vv_6ong_3ka_cp:20171102042340j:plain

5.ステップ番号、命令、I/Oを増やす。

f:id:vv_6ong_3ka_cp:20171102042350j:plain

6.最後にENDを加える。

実例紹介

実際にCSVファイルをGX Works2に書き込んだものを動画にしました。

動画


CSV転送動画171102

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作業時間比較

今回X00からXD4までのタイマー回路を作成しました。
タイマー数として(16×13+5)×2=426個です。

手入力
仮定:1つタイマー作成時間30秒
30sec/個×426個=12780秒(213分=3.55時間)

自動生成
参考回路作成、CSVファイル解析:約10分(若干多め)
CSVファイル内回路複製:約10分(慣れていればもう少し早いはず)
合計:20分

作業時間が約193分短縮されていることがわりかます。

もし、”俺ならもっと早く手入力でタイマーを作成できる”という自信のある方はそちらをお勧めします。ただし、手入力で20分以内に426個のタイマーを作成する場合、1個あたり2.816...秒で作成しなければならないので頑張ってください。笑

終わりに

久々に実際に使用できる有益な情報を提供できたと思います...初めてかもしれませんが笑

慣れない内は大変だと思いますが、作業時間を比較すると効果があることは明白なので、参考にしてみて下さい。