【ラダープログラム】複雑な自己保持回路練習問題① シーケンス制御 GX Works3


自己保持回路というのはシーケンス制御で基礎の基礎であり、この自己保持ができない限り装置を動かしたり複雑な制御を行えたりということはできないです。

自己保持をどのようにセットし、どのように解除するかというのはタイミングを考慮しなければならない装置や生産ラインではよく出てくる問題であり、実際自己保持をリセットするタイミングが悪く機械干渉させたこともあります。

それくらい自己保持のセット・リセットのタイミングは注意しなければならず、機械が壊れる恐れもあります。

今回は複雑自己保持回路練習問題①でリセットのタイミングをずらす方法について紹介していきます。

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GT2508 タッチパネルイメージ

GT2508 タッチパネルイメージ

Point.X0:START X1:STOP、両方一緒に押せる押釦も用意

複雑な自己保持回路問題1-1 リセット優先ONディレー

複雑な自己保持回路問題1-1 タイムチャート

Point.M0:自己保持している時に、X1:STOPが押されたら一定時間後に自己保持解除

① X0:STARTが押されるとM0:自己保持がONとなります。
② X1:STOPが押されると一定時間後にM0:自己保持がリセットされます。
③ X0とX1が同時に押されても、M0が自己保持し、一定時間後にM0の自己保持が解除されます。

今回の特徴としては、X0とX1が同時に押されたからと言ってM0の自己保持が行われないということではなく、いったん自己保持を行ってから一定時間後にM0がリセットされるということです。

このような回路は実際の現場ではよくあり、プログラム上の処理をわざとずらすためにこのようなことを行うこともよくあります。

基本的な技術ですが、自分のプログラムを上手く処理させるようにかわすテクニックも身に付けていきましょう。

複雑な自己保持回路問題1-1 動作イメージ

Point.① START ➡ ② STOP、③ START & STOP同時押し

複雑な自己保持回路問題1-1 プログラム解説

Point.M10:STOP記憶を設けてM0をリセットするタイマーのフラグにしている

① STOPボタンが押されたことをM10で自己保持します。
② M10の自己保持を利用し、T0を導通させます。
③ T0が一定時間導通したらM0をリセットします。
※M10はM0がONしていない限りONしない回路になっています。

複雑な自己保持回路問題1-2 リセット優先ONディレー + ストップキャンセル

複雑な自己保持回路問題1-2 タイムチャート

Point.問題1-1と同様だが、STOPボタンを2回押すとSTOPを解除

STOP記憶がONしている時に、もう一度STOPボタンを押すと解除するようなプログラムです。

フリップフロップなのですが、これはよく現場で出てくるものであり、一つのボタンでセット・リセットしたいということはよくあります。

下記に様々なフリップフロップ例を載せますので参考にして下さい。
フリップフロップ参考例www.niwakafa.com

複雑な自己保持回路問題1-2 動作イメージ

Point.基本動作は問題1-1を守りながら、STOPが2回押されたらリセットされている

複雑な自己保持回路問題1-2 プログラム解説

Point.M10:STOPの自己保持回路のセット・リセット方法のフリップフロップをしっかり確認する

まとめ
・問題1-1、1-2は現場で良く使われる
・自己保持をどのように解除するかというテクニックを身に付ける