三菱電機製サーボモータのJ4シリーズのゲイン調整方法を紹介します。
そもそも、サーボモータはご存じでしょうか。ネットで検索すると『サーボは追従性がよいからロボットで使う』とか『サーボはエンコーダが付いていて位置決めができる』とか、そんなうわべだけのお話が多いです。
そんなうわべの話は置いといて、簡単に説明すると、『モータにエンコーダを付けたもの』で『エンコーダの入力信号と指令パルスを比較し、目標値に追従させるモータ』です。
ここでいう、『エンコーダの入力信号がフィードバック信号』であり、『指令パルスと実回転との誤差をなくすのがフィードバック制御』です。
長くなりましたが、この『フィードバック制御を行うためには、ゲインという応答性のパラメータが必要』となります。
このゲインのパラメータを調整することで、サーボモータの正確な制御を行うことができるのです。
以下にゲイン調整方法を紹介していきます。
www.niwakafa.com
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【目次】
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MR Configurator2 起動方法
MR Configurator2 起動
MR Configurator2 新規作成
オートチューニング調整機能
まず三菱電機なら、ゲイン調整はオートチューニング機能を利用しましょう。
オートチューニングモードは通常設定の1を選択
特別なことがない限りオートチューニングモード1を選択すればよいです。
サーボを連続動作させて応答性を変更
オートチューニングをする際はサーボモータを連続で動作させる必要があります。
PLCからの信号、もしくはMR Configurater2にて動作設定を行うようにして下さい。
ここで、応答性を高くすると追従性が良くなりますが機械共振が多くなります。
応答性を低くすると追従性が悪くなりますが、機械共振が少なくなります。
一般的な意見ですので、機械によっては共振が低周波数の場合もありますので注意が必要です。
サーボモータの動作を確認しながら応答性を変更するようにして下さい。
MR Configurator2 ゲイン調整
オートチューニング時 ゲイン調整
■ オートチューニング応答性
◆ 容量が小さいモータ 18~20◆ 容量が大きいモータ 12~16
■ オーバーシュート量補正
◆ 30~60%で調整オートチューニングが安定してきたら、30分~1時間程度はサーボモータを単体で動かすことをお勧めします。
何をもって安定とするかは、実物で大きな異音がしないか、負荷率が正常かどうかが判断基準になるかと思います。
◆ 実物で大きな異音がしない
◆ 実行負荷率が30~40%ほど
◆ ピーク負荷率が80~100%ほど
オートチューニングはすぐにゲインが反映されないこともありますので、時間を掛けておいた方が機械構成のシステムとしてゲインが合うかと思います。
オートチューニング時 負荷率モニタ
負荷率をモニタすることでゲイン調整が適切かどうか判断します。
マニュアルモード設定
オートチューニングによる応答性が決まったら、上記パラメータを固定にするためにマニュアルモードに設定します。
これによって、サーボモータの過負荷やトラブルが発生した場合でもゲインを固定することができるため、同様の動作を行うことができます。
MR Configurator2 マニュアルモード設定
終わりに
サーボモータの調整はとても奥が深いです。
私は制御工学でPID制御のゲイン調整を行い、このような話はとても好きです。笑
自分なりの調整方法を見つけるようにしましょう。
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