産業用Ethernetの概略
PLCを使用していると上位システムとの通信、省配線システムの通信システムで様々な通信方式の名称が挙がってくるかと思います。
例として、RS-232・CC-Link・CC-Link IE Field・Ethernet/IP。挙げたら切りがないのですが、様々な方式で通信します。
ただ、これらの通信で全てに共通するのは”シリアル通信”ということです。
実は、省配線の通信システムはたいていシリアル通信です。
シリアル通信は1ビットずつデータを転送する方法であり、その速度がビットレートと呼ばれて、FA業界ではすべての機器を同じように合わせるのです。
これを知らないとシリアル通信 = RS-232・RS-422。LANケーブルで接続されているのはEthernet = CC-Link IE Field・Ethernet/IP。という誤解した認識をしてしまうのです。
産業用Ethernetはリアルタイム性を確保したもの
まずリアルタイム性というものについて
リアルタイム性とは、通信に遅延が生じないことを言います。
普段日常で使用しているEthernetは100Mbps~1GbpsなどFA業界のシリアル通信と比べ10~100倍以上の高速通信を可能としております。
ただあなたはYouTubeや携帯電話で通信速度が遅いということを感じたことはないでしょうか。
日常で使用しているEthernet通信には様々な遅延が発生するものがあり、アダプタで合ったりデータの通信量だったり、様々な原因があります。
高速で通信できるが安定しないこともあるのが日常で使用しているEthernetであり、産業機械を使用しているシステムではこの遅延でセンサー入力が遅れることによって、NG品が製作されてしまうことが発生します。
この通信の遅延が産業機械を構築しているシステムでは許されないものであり、これを解消したものが現在のCC-Link IE FieldやEthernet/IPなどであり、Ethernetベースでありながらリアルタイム性を確保したものという素晴らしい通信システムを確立し、現在普及しはじめているということになります。
産業用Ethernet 参考リンク紹介
emb.macnica.co.jp
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なぜEthernetベースの通信方式が浸透せず、CC-LinkのRS-485ベースが主流となったのか?
シリアル通信が確立したのが1960年代?らしいです。
それから省配線システムの通信方式はRS-485ベースの通信システムが主流でした。
要因としては、通信方式やハード的による違い・特徴があります。
RS-232:1対1の通信に対応。他の通信システムに比べて速度が遅くノイズに弱いため伝送距離は短い。
RS-422:RS-232のシステム向上を図り、通信速度・伝送距離などを向上させた。通信は1対多が可能。
RS-485:RS-422のシステムに加え、通信はN対Mの複数行うことができるシステムへ。
マルチにRS-485で通信ができることに加え、RS-485はリアルタイム性を確保するのに優れたシステムのようです。
リアルタイム性が確保でき、マルチ通信できるRS-485が産業システムに合うということで、CC-LinkなどはRS-485ベースで作成された経緯があり、1996年にCC-Linkが登場しました。
1996年~現在でもCC-Linkシステムは現役でありますが、ここ数年はEthernetベースの産業用通信システムの開発が進み、今後CC-Link IE FieldやEthernet/IPなどのEthernetベースの通信が標準となっていくでしょう。
まとめ
・シリアル通信と日常で使用するEthernetについて
・産業用通信システムはRS-485ベースかEthernetベースのリアルタイム性を確保できたもの
・今後の産業用通信システムはEthernetベースのCC-Link IE FieldやEthernet/IPが主流となる
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