PLCをご存知でしょうか。PLCとは『Programmable Logic Controller』と呼ばれ、日本では『シーケンサ』とも呼ばれています。『シーケンサ』は三菱電機製品のPLCの事を指しており、日本でのシェアが高いためシーケンサと多くのエンジニアは呼んでいるのです。
呼称のことは置いておいて、皆さんが身近で使われている電気製品はどのように制御されているかご存知でしょうか。
たとえばマイコン。マイコンは洗濯機や炊飯器などに使われており、決まった手順を行うようにプログラムされています。マイコンが使われる要因としては、安価であり、量産するとコストも抑えることができるためです。
では、PLCはどこで使われているのでしょうか。
PLCが一番多く使われているのは生産現場です。なぜ生産現場で多く使われるのでしょうか。
生産現場で多く使われる要因としては、PLCに多くの利点があるからです。それを説明していきたいと思います。
【目次】
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PLCの概要
PLC(Programmable Logic Controller)は、工場などにある搬送コンベヤや包装機、パレタイザーなどの自動機械装置の制御に使用されているものです。
http://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/products/cnt/plcq/items/index.html
引用:三菱電機
上記画像は三菱電機のQシリーズ製品です。PLCのメーカーとしては、三菱電機やキーエンス、オムロンと数社あります。よく言われるシーケンサとは三菱電機製品のことです。ですので、他社メーカーの場合はPLCと呼ばなければ通じないことがありますので注意が必要です。
PLCの利点
マイコンは量産機に多く使われ、それによってコストダウンが図れるメリットがあります。PLCはマイコンに比べ高価ですが、それを補うメリットが多くあります。
1.プログラムの書き換えが容易である
PLCの最大の利点は『プログラムの書き換えが容易である』ということです。
なぜこれが良いとされるのか。それは工場という特殊な環境にあります。
工場とは常に製品を作らなければなりません。つまり生産ラインをなるべく止めないようにするのが最善なのです。
PLCはマイコンと異なり、PLCを動かしながらプログラムを修正することが可能です。
RUN中書き込みという方法で、生産ラインを止めずに修正したプログラムを簡単に直すことができるのです。
2.電気屋さんにはラダー言語が親しみやすい
これもよく言われるのですが、昔ながらの電気屋さんには電気回路図のようなラダー言語はとても見やすいです。
ラダー言語とは、PLCを動かすための言語であり、センサーのON,OFFの論理回路で作成することができます。
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なぜFA電気屋にPLCがよく使われるようになったのか
PLCには様々な利点がありますが、なぜFA電気屋に多く使われるようになったのか。それにはなぜPLCが使われるかということを理解しなければなりません。
昔はリレー回路、リレー制御
リレー回路、リレー制御をご存知でしょうか。
簡単に言いますと、ある電気信号(入力)をリレーで自己保持し、あるモータを動かすようにすることです。
つまりは電気機器を使い、リレーのように信号のバトンを渡すのが、リレー回路であり、リレー制御なのです。
詳しい説明が下記サイトに記載してありますので参考にしてみて下さい。
elec-tech.info
引用:中司電機工業
リレー回路、リレー制御の弱点
リレー回路、リレー制御の弱点は何だと思いますか。
それは、動作変更するのが大変だということです。なぜ大変なのか。
制御盤に設置したリレーを増やしたり、配線を取り替えたりするのは簡単でしょうか...私には苦痛ですね。笑
まだ1つ、2つならいいのですが、上記の関連記事のような制御盤の規模になると、リレーをいくつ増やすことになるのかわからないのです。
そのようなリスクを減らすためにリレー回路ではなく、プログラムで制御を変更できるようにしたのです。そして電気回路に慣れ親しんだラダー言語が扱えるPLCを選定するようになったのです。
PLCでどのようなことができるのか
使ったことがない人にとってはPLCはどのようなことができるのか知りたいと思います。
具体例として、関連記事を記載します。
モータを使用する機械装置ならインダクションモータからステッピングモータ、ロボシリンダ、サーボモータまで制御することが可能です。
演算することも可能
PLCはモータ制御だけではなく、四則演算や製品の個数管理など様々なことができます。
他にもPLCには、温度管理なども行うことができ、様々な分野で幅広く使用されています。
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終わりに
いかがでしょうか。
あまり知られていないPLCという電気機器を少しでも理解して頂ければ幸いです。